文: はら まさかず
1972年愛知県生まれ。作家、編集者。東京都立大学経済学部卒業。『うさぎとハリネズミ きょうもいいひ』(絵・石川えりこ、ひだまり舎)で第55回日本児童文学者協会新人賞を受賞。ほかに、『お父さんとお話のなかへ 父と子のお話12か月』(本の泉社)や『うさぎとハリネズミ』シリーズ第2作『きっとあえる』など。全国信用金庫協会の月刊広報誌『楽しいわが家』にて、エッセイ「お父さんの気持ち」を連載中。大人も子どもも楽しめるおはなしのサイト『よむよんで』を運営している。日本児童文学者協会理事。
絵: 山本 久美子
1965年前橋生まれ、東京在住。多摩美術大学卒業。2003,2005年ボローニャ国際絵本原画展入選。絵本の仕事に『マルをさがして』『きんぎょ』(ひだまり舎)、『じてんしゃ がしゃがしゃ』(文 かさいまり/絵本塾出版)、『どっさり おやさい』(文 大川久乃/福音館書店こどものとも年少版)など。日本児童出版美術家連盟会員。
絵本の内容
お母さんと別れたばかりのクジラのぷうぷうはひとりぼっちです。周りのおさかなはぷうぷうが怖いのかみんな逃げてしまいます。お友だちができないかなぁ。そこへ見たこともない子が近づいてきたのです。
海に捨てられるプラスティックゴミと海に住む動物とのことを描いた絵本です。
著者より
海岸に打ち上げられたくじらのお腹から、たくさんのプラスチックゴミが出てきたり、捨てられた漁網にからまったウミガメが海を漂っていたり、プラスチックゴミは、世界中の海で大きな問題になっています。これは、海の生き物たちだけの問題ではありません。実は、魚を食べることなどを通して、わたしたちの体の中にも、小さくなったプラスチックが入り込んでいます。
プラスチックゴミを減らしたり、再利用したりするなど、海をきれいにするためにいろいろな対策が進められていますが、どれも根本的な解決策にはなっていません。今ある海洋プラスチックゴミをすべて取り除くことは、とても難しい状況です。では、わたしたちにできることには、一体どんなことがあるでしょうか。
この絵本のなかで、くじらのぷうぷうは、陸から流れ着いたプラスチックを通して、陸の生き物のことを想像し、友達になりたいと考えます。同じように、私たちも海の生き物のことを思い、友達になりたいと想像することが、海洋プラスチックゴミ問題を解決する一歩になるのではないかと思います。
私たちが海の生き物のことを思う、一つのきっかけに、この絵本がなってほしいなと思います。
文: はら まさかず
絵: 山本 久美子
ISBN: 978-4-909809-49-0
ページ数: 40ページ
サイズ: 230 x 230 x 9mm
シリーズ名: imagination unlimited
刊行: 2023年8月30日